車検において保安基準に満たない車輛は、使用してはならないと定められています。
車検とは、主に一般公道で使用される車輌が安全である事、外観の損傷はもちろん排気などの環境への影響が保安基準に適合しているかを一定期間ごとに認証する、国が定めた検査です。制度運用の始まった1930年当時はバスやタクシーなど商用車の安全性を確保するための制度でしたが、戦後のマイカー所有率の増加に伴い1951年から一般車輛に、1973年には軽自動車の車検も義務化され今日に至ります。また当初の車検制度は「前整備・後検査」という、点検整備後に検査を受けるやり方でしたが、自動車普及の拡大と日本車の品質の向上に伴い24ヶ月点検の点検項目の削減と共に、現在では点検整備の前に検査を受ける事が認められています。
車検合格=安全、ではない?
文字通りの解釈ですと検査に合格してから点検整備を行えばよいのですが検査に合格したからといって、車検整備を実施”しなくてもいい”事にはなりません。実際に行われる車検の検査は保安基準を元にテスタ-や目視で車体を確認しますが、ブレ-キやエンジン内部の部品を細かく分解して確認するものではありません。検査の合格=次の検査まで安全、とは限らないのです。
車両法改正では自動車の使用者の義務として点検及び整備の義務として明確に記されています。
道路運送車両法
(使用者の点検及び整備の義務)
第47条 自動車の所有者は、自動車を点検をし、
及び必要に応じ整備をする事により、当該自動車を保安基準に
適合するように維持しなければならない。
個人・法人を問わず、所有者が明確な車輛は所有者自身の責任において、車輛が正常か日常的にチェックし、定期的に点検整備を実施すること、ひいては使用者ならびに公道を共有する他者に対しても安心させられる車輛状態を維持する事が求められています。
検査には合格したものの後整備が不足した状態で走行した車両のトラブルが発生するケースは決して少なくありません。修理やレッカ-移動のほか、車輛が使えない時間的損失などを考えれば、車検の後の整備がいかに重要かお判り頂けると思います。
そうした車輛管理においての基本が車検前や車検後の整備なのです。
あまり走行していないし・・
自動車の利用頻度や利用状況はユーザーによって様々です。基準としての”何万キロごとに・・” ”何万キロになったら・・・” と言われるものはありますが、自動車車輛の健康(安全性)は単純な距離数で区分できるものでもありません。距離数の少ない、使用年数の少ない車輛は車検そのものの合格の可能性は高いですが、車検合格をもって100%の安全を保証する整備士はいません。
自動車は使用頻度に関わらずゴム部品などは老朽化していきますので、人間の健康管理と同じく、経年ごとにきめ細かな診断と適切な整備が必要となってきます。
私たちはお客様の立場に立ちお客様のご了解の元に、直すべき悪い箇所の点検整備をご提供させて頂いております。走行距離の多い車と比べ低コストの整備ができる場合もありますので、ぜひご相談下さい。ご予算やお車の状態を考慮し、お客様のとって最善の対応をさせて頂きます。
車検整備と定期点検の違いについて
一定期間毎に検査場で行う、国の安全基準に沿って行われるのが車検ですが、一方定期点検整備は車輛に異常がないかを定期的に点検整備するもので、必要に応じユ-ザ-の了解のもとに不具合個所を整備します。定期点検整備はトラブル防止や車輛の性能維持の為の予防整備です。点検の結果、不具合個所の整備を実施しますが、消耗部品や磨耗により将来的にトラブルの恐れがある個所についても整備を実施し、次回の定期点検まで安全性を維持する為のものです。いわば定期点検整備は車の健康診断であり、整備士は診断結果を踏まえて治療を行うかかりつけ医とお考え下さい。この定期点検整備を定期的に実施する事でお使いの車両の寿命を伸ばす事にもなり、長い目でみた場合自動車の所有コストの削減にも繋がっていきます。ぜひ車検整備は”整備付き車検”でお受け下さい。